【薬屋のひとりごと】アニメ16話「鉛」感想・ネタバレ解説【猫猫と羅漢の関係】

2024年1月28日2024年2月10日

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あらすじ

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猫猫は壬氏から

「亡くなった宮廷御用達の彫金細工師の秘伝」

を調べて欲しいと頼まれる。

遺言には「三兄弟の形見分けの品」と『皆　昔のように茶会でもするといい』と意味深な言葉が残された。

そこから導かれる職人の秘伝とは？

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壬氏からの依頼

猫猫は壬氏から

「亡くなった宮廷御用達の彫金細工師の秘伝」

を調べて欲しいと頼まれる。

「職人の秘伝」に興味がある猫猫は乗り気で依頼を引き受ける。

この依頼は「羅漢」が持ってきたものですが、壬氏はこの時点では猫猫に「羅漢」の名前を出していません。

もし「羅漢から猫猫への依頼」と聞いたら猫猫は……。

おそらく、次の次の回（18話）あたりで
「羅漢と猫猫」の関係性がわかると思います。

彫金細工師の家へ

同行したのは前回に引き続き「馬閃」です。

馬閃は猫猫を快く思っていないようですが猫猫は全く気にしていません。

家に着くと三男が家の中を案内してくれました。

猫猫は玄関で「青みがかった光沢ある石」を見つけます。

三男は「父は妙なものを集める趣味があった」とどこか楽しそうに語りました。

形見分けの品

作業場へ行くと長男と次男がいました。

形見分けの品

長男…離れの作業小屋
次男…細工の施された家具
三男…金魚鉢

三男が損をする形見分けのように思えましたが、金魚鉢はガラス製で高価なものでした（当時の金魚鉢は木製が普通）

次男の家具は床に固定されていて動かせません。

しかも、鍵はあるのに鍵が入らないため箪笥を開けることができません。

不自然な配置の家具

部屋の真ん中に箪笥がある
　
統一感のあるテーブルの配置
　
窓は西洋風で縦に長く、変わった位置にある

三兄弟は形見分けが気に入らず、父に不満を言っていましたが、三男だけは父を庇っていました。

三兄弟の定位置

母親が茶を持ってきてくれました。

三兄弟は座る位置が決まっているようで定位置に座ります。

三兄弟が座る場所は日光が直接当たらないように椅子が配置されていました。

そこで猫猫は気が付きます。

日光が入る時間に茶会は行われる
　
日光はぎりぎり箪笥に当たらない
　
窓の前に「四角形の日焼けの痕」
　
箪笥の鍵穴には何かが詰まっている

開かない箪笥の仕組み

「高順に似てる」と思ったのは馬閃が「眉間にしわを寄せた」からです。
猫猫の中で「高順＝苦労人で眉間にしわを寄せている人」だと思ってるからです（笑）

水を入れた金魚鉢を窓辺の「日焼けした位置」に置くと、日光が金魚鉢を通して箪笥の鍵穴に届きました。

しばらく時間を置くと鍵穴は熱くなり、鍵を入れると引き出しが開きました！

鍵穴に詰まっていた「原料」が日光に溶けて開いたのです。

中には「鍵の鋳型」があり、溶けた原料が型に流れて「鍵」が出来ました。

その鍵を使うと他の引き出しが開き、中には「金属」と「結晶」があったのです。

長男と次男は「親父の悪戯」と捉えましたが、三男だけは真面目に考えていました。

三男の手は兄弟の中で一番火傷が酷く、努力しているのが猫猫にはわかりました。

聡い末っ子は父が残した秘伝に気が付いたようです。

箪笥の「引き出しの大きさ」「中の材料」が違ったのは「配合の比率」ではないかと。

三男が仏心で他の兄弟に教えるのか、秘伝を独り占めするのかは、猫猫には関係ないことだと思いました。

サンデー版（倉田三ノ路先生）はトリックをわかりやすく説明しています。
鍵穴に入っていたのは「はんだ」であり「ガラスの鉢を通した日の光は鉄を熱するほど熱くなる」とのこと。

さすがに「鉄」は溶けませんが「はんだ」だったため溶けました。

原作小説に無いエピソードですが、倉田先生は「かつて止血を止める方法として傷口に熱した焼きごてを利用していた。そのこてを熱するのに使われていた方法と同じ」と補足しています。

サンデー版は原作を補完するオリジナルエピソードが多く、話がわかりやすいですよ！
ぜひお手に取ってみてくださいね！

今回の話は5巻に収録されています。

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鉛中毒の可能性

猫猫が「父親は吐き気や頭痛に悩まされていなかったか」と聞いたのは「鉛中毒」の可能性を考えたからです。

（後宮の「毒おしろい」も鉛が使用されていて、玉葉と梨花が頭痛・吐き気に悩まされていましたね）

仕事柄「鉛」を使うため、父親の死因に関わっていたかもしれません。

そのため猫猫は三男に「具合が悪くなった羅門の元へ行くといい」と言います。

三男の健康を心配したのもありますが、羅門が生活費に困らないように「宣伝した」というのもあります（笑）

羅漢は初めから知っていた

事件解決後、壬氏の部屋に羅漢が現れます。

事件のあと長男と次男は職人を辞めたので、三男が「宮廷御用達の彫金細工師」になるのではと言います。

羅漢は事件のトリックを知りませんが「秘伝がわかれば三男が跡を継ぐ」とわかっていたようです。

羅漢は一見胡散臭い男で仕事をさぼっているように見えますが「人の采配」が上手く、それにより軍師まで上り詰めた男です。

将棋好きの羅漢にとって「軍部は人が駒となる将棋」

羅漢が「天才軍師」と言われるのは「適材適所」が上手いからです。

壬氏は前回の話「妓女の価値を下げる方法」について聞きますが、羅漢ははぐらかします。

「その世界を知る者に聞いた方が早い」

「猫猫に聞けばいい」と遠回しに言います。

帰り際に「侍女たちに」と果実水を置いていきますが

「甘すぎないので飲みやすいのでは」と言いました。

猫猫は辛党で甘いものを好みません。

羅漢は猫猫のことを「よく知っている」ようです。

はたして二人の関係は？

アニメオリジナルシーン

事件後に三兄弟が適材適所に収まるのはアニメオリジナルです。

アニメでは原作小説でも漫画版でも語られなかった「冷めた兄弟感」について説明されていました。

長男次男は「父は才能のある三男だけを可愛がっていた」と嫉妬。
　
猫猫が三兄弟に「父親は吐き気や頭痛に悩まされていなかったか」と聞いても、長男次男は知らず、三男だけが知っていた。
それにより、父親と三兄弟たちの近年の関係性がわかりやすくなっていた。
　
三男が「父親は長男と次男の長所を理解し、認めていた」と言うシーンはアニメオリジナル。

「三兄弟が適材適所に収まり、仲良く仕事ができるようになった」

ほっこりする結末でとても良い話だと思いました。