【薬屋のひとりごと】アニメ11話・園遊会で毒を入れた犯人・里樹が狙われた理由【相関図付きでネタバレ解説】

「薬屋のひとりごと」アニメ11話の

感想・解説です。

猫猫は「園遊会」で里樹妃の食事に毒を
入れた犯人を突き止め、対話します。

「犯人の動機」と「里樹妃が狙われた理由」を相関図付きで説明。

アニメ5話「謎の木簡」のこともわかります。

結論から述べると真犯人は
阿多の侍女頭「風明」です。

アニメ5話で暗号が目的とされる

「謎の木簡」は風明のものでした。

風明は木簡を使用して外部の人間から毒を手に入れました。

なぜ彼女は里樹妃に毒を盛ったのでしょうか。

理由は二つあります。

阿多は34歳で里樹は14歳。

若い里樹は古参の阿多を追いやる立場と
なります。

風明は阿多の「四夫人の座」を守るために

里樹妃の毒殺を図りました。

産後の肥立ちが悪い阿多に代わって、
風明は皇子の面倒を見ていました。

風明の実家が養蜂所ということもあり、
滋養に良い蜂蜜を皇子に与えました。

阿多は先帝に嫁いだ里樹を気にかけて
いました。

阿多・主上・里樹の母は友人
だったのです。

阿多は里樹が先帝の手にかからないように見守っていました。

里樹は阿多を母のように慕いました。

阿多に懐く里樹を見て皇帝も里樹を
可愛がります。

子ども亡くした二人にとって里樹は
娘のような存在でした。

ある日、風明は里樹から

「赤子の頃に蜂蜜を食べて死にかけたことがある」

と聞かされます。

それを聞いた風明は
皇子が亡くなった原因は自分
だと気付くのです。

敬愛する阿多に
「蜂蜜の件」を知られたくない。

風明は里樹と阿多を会わせないように
しました。

先帝が亡くなり、里樹は出家します。

里樹は阿多と二度と会うことがないだろうと安心していると

里樹は上級妃として後宮に戻ってきました。

風明は里樹の毒殺を計画しました。

毒殺が失敗した後、風明の犯行を知った下女が「阿多に嫌疑がかからないように」と犯人役を引き受けて自殺します。

侍女頭の風明が捕まるより

下女の自分が疑われて自殺した方が良い

と思ったのでしょう。

ガンガン版コミックスでは風明の
部屋から下女の木靴が見つかって
いるので、風明が外壁登りを
手伝っています。

自ら犯人役を引き受け、自殺を志願した
下女ですが冬の水は冷たく何度も足掻いた形跡があります。

彼女の苦しむ声を聞きながら木靴を持って風明は逃げるように宮に帰ったのでしょう。

「皇子の死」「下女の死」

二人の命を奪ってしまった風明は罪の意識に苛まれます。

罪の意識を感じるたびに風明は阿多に献身的に尽くし、下女がやるような仕事すらも率先してやっていたのではないでしょうか。

風明が犯人であることは壬氏たちに
気づかれています。

猫猫は自分にできる最大限の提案を
しました。

「二つの動機を一つにしませんか」

【動機】阿多の上級妃としての立場を追いやる存在だった

里樹を狙った理由を「この一つだけ」に

しました。

風明が最も知られたくないことは

「蜂蜜を与えて皇子を死なせた」ことを

阿多に知られることです。

理由を一つに絞りましたが

一番の動機は

「蜂蜜の件を口止めしたかった」

ことでしょう。

阿多が上級妃を降りるだけであれば風明は受け入れられたはずです。

「阿多が35歳」
「子を産めない体である」

「蜂蜜の件」が無ければ毒殺を考え
なかったかもしれません。

風明は猫猫の提案を受け入れて

理由を一つに絞って自首します。

阿多に「皇子の命を奪ってしまった」
ことを知られないまま絞首刑を受けました。

悲しい話ですが、そこだけが唯一の救いです。

風明も下女も阿多のために命を捨てましたが、阿多の意思とは反していました。

息子がいなくなってから
阿多は皇帝と友達に戻りたかった
のです。

なのに上級妃に選ばれてしまった。

後に判明しますが
里樹を上級妃に推薦したのは阿多
でした。

先帝が亡くなり、里樹の次の嫁ぎ先が
あまりに「酷いところ」だったため
阿多は主上に相談して里樹を上級妃に
しました。

宮廷内は本人の意思とは関係なく
「誰かが誰かのために」
争っています。

風明と下女が亡くなり阿多は
「なぜ妃にすがっていたのだろうか」
と言います。

・猫猫と会話する風明の表情が恐ろしかったですね。日髙のり子さんの迫真の演技に胸が苦しくなりました。

・阿多の出産シーンで羅門が阿多を診ようとして引き離されるシーンはオリジナルですが重要なシーンでしたね。

「自分の子より皇后の子どもの方が優先される」というのを阿多が目の当たりにしたことになります。

・風明が阿多の前で赤子に蜂蜜を与えるのもオリジナルですがこちらも重要なシーンとなりました。

・風明と話し終わって帰る猫猫を見る阿多もオリジナルですが、この時の阿多は何を思っていたのでしょうか。

「赤子が蜂蜜で亡くなったこと」
「風明が里樹に毒を盛ったこと」
もしかしたら全てを察していたのかもしれません。

ネタバレになるので具体的には言いませんが、
壬氏と阿多の付き合いは長く、
「姉のような母のような」存在でした。

家族のような存在と離れるのが悲しくて
泣いていたのだと思います。

里樹にとっても阿多は母のような存在でした。
阿多にとって里樹は娘のような存在。

中世的な美しさで凛々しかった阿多の顔が
母親の表情になるのが感動的でしたね。

作中に出てきた「蓮華躑躅」の狂い咲きの意味がわかりました！そういうことだったんですね。

壬氏の「私の交友関係に興味があるのか？」
で嬉しそうに話す壬氏と塩対応の猫猫が
面白かったです（笑）